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塾 アルバイトの新たな開設

生き甲斐を会社から与えてもらおうとか、嫁さんと子供から与えてもらおうとか、それは逆にいえば犠牲になっていたという気持ちだが、犠牲だなどと周囲は思っていないのである。 自分のためという、そこのところがいちばん大事ではないか。
Hさんは、自分のため、自分の生き甲斐のために働くべきだといっている。 自分の生き甲斐をもつ、自分の価値観をもっ、それが自分の趣味であり、自分のコミュニケーション仲間であり、自分の仕事であっても一向にかまわない。
会社というのは、きょうの花形・明日斜陽という激しいテンポで変わっていく。 いつクビ切りをやられるかわからないし、どんな仕事をやらされていくかもわからない。
会社の中の人間関係のもっていた絶対性は崩れていく。 しかし、自分の持っている仕事と人脈は容易なことでは崩れない。

自分のための生き甲斐も崩れない。 そういうところをこれからは大事にするべきである。
だから自分のために忙しくする時代だ。 個人忙しの時代だと私などはいっている。
中年乞食と豊かな新人類新人類はそのことがわかっているのではなかろうか。 なるほど新人類のミーイズムというのは、批判すべき要素が多い。
ずいぶん自分勝手なところがある。 しかし中高年とか団塊の世代は逆にあまりにもミーイズムがなさすぎる。
それは小遣銭ひとつを見てもわかる。 団塊の世代と中高年は、新人類あたりから「中年乞食」といわれている。
これは私がいっているのではなく、よく知られたマーケティング用語である。 いまの三十代、四十代というのは、仕事にいちばん脂が乗り切って、いちばん勉強をするときであり、いちばん人脈を広げていくときである。
何かとお金も要る。 にもかかわらず小遣銭はたったの四、五万。
家のローンや子供の教育費で小遣銭を下げざるを得ないのもよくわかるが、亭主がさらに伸びるためにも自分自身の教育費をもっと上げないといけないという姿勢をはっきり自分から出さないといけないと思う。 子供の教育費とか、嫁さんのカルチャーセンター通いくらいは犠牲にしても、おれのために金を出せというところがあまりないのはたよりない。
三十代、四十代がいちばん家計の負担が大きいが、逆にそのときに自分のためにお金と時聞を使った人が伸びている。 勉強するにしても、人脈を広けるにしても、お金がすべてというわけではないが、ある程度必要である。

やる気だけでいくさはできない。 レーニンもいっている、元気もやる気も大事だが、やはり「鉄砲の弾は忘れるな」と。
それをやらないから、新製品でも、新事業でも、新人類あたりに簡単にしてやられてしまうのである。 嫁さんに財布を渡してしまったツケが回ってきて、どういう新しい商品をつくったら売れるのかがさっぱりわからない。
自分で選んだり購入した経験がないからである。 自分のためという考え方をもっとはっきりもった方がよい。
それが会社のためになり、家のためになるのである。 五年単位で仕事をするこれからは旧人類のわれわれも自分のため、自分の価値観に力点をおいて物事を考え、判断していく時代である。
それを他の言葉でいい直すと、「個人忙しの時代」ということである。 会社かマイホームかではなくて、会社もマイホームも大事にするが、それ以上に自分を大事にする。
自分のための投資も遊びも勉強もする。 そういう個人忙しの時代に入ってくる。
仕事を大事にするのも自分のためである。 プロになるためにそれを大事にする。
他流試合に強くなるためにも大事にしていく。 あるいは人と情報のネットワークを会社の外に広げていく。
これは会社よりも、むしろ自分の財産である。 まさに個人忙しの時代である。

そうすれば会社から「忠誠心などいらない」といわれ、家庭の主婦は主婦で「亭主元気で留守がよい」と大合唱しても一向に平気だ。 このように頭の切り替えをやっていく必要がある。
これからは一方で人材流動化が起こり、この人材流動には明と暗の部分が背中合わせになっている。 会社も当然ポストレスの時代に入っていく。
となると、これからのサラリーマンは、タテとヨコの戦いをしたたかにやっていく必要がある。 社内ではしこしこ出世レースもやるが、社外の人脈も増やしていく。
このまま会社の中で突き進んで勝っていくほうがいいのか、勝負の土俵を外の世界に変えて、そこでもう一度チャレンジしていくのがいいのか、そのように考えていく時代なのである。 だから私など、よくサラリーマンに、二十歳後半から三十歳、三十五歳、四十歳、四十五歳と、五年単位ぐらいで自分の能力と知識、体験のチェックをやり、同時に会社のチェックもやることをすすめている。
このまま会社で進んでいったほうがいいか、外に出てヨコで勝負をしたほうがいいのか、そういったいろいろなことを考えながらタテヨコ両方の戦いをしたたかにやっていくべきである。 別に転職ブームだから転職しなければ損だとか、そういうことは考える必要はないと思う。

ただ、いつでも転職できるだけの準備だけは整えておけばいい。 そのチェックの時期が二十歳後半から三十、三十五、四十、四十五歳と続いていくと考えるとよい。
もちろん転職は若い人のほうが有利だが、能力に自信があれば、あるいは自分の誇るべき仕事があれば、そうともいえない。 若い人の有利なのはコンピュータとかバイオ技術の最先端部分とか、金融の為替のディーラーとかの特殊な業務だけであって、ベテランであればあるほど有利な仕事はいくらでもあるから、流動化する社会に向けて人生の五年ごとの変わり目に自分のポジショニングをチェックしていくことが大事である。
チェックしていくことによって、この部分は足らないとか、この部分はもっと磨いたほうがいいとかわかるのである。 よく昔から古いタイプの人は外の人脈を大事にしているサラリーマンを批判する。
外の連中とばかり付き合っていてとか、あいつは自分たちの仲間じゃない、いったい仕事を本気にやる気があるのかね、とよく非難する。 また外部の人との付き合いは、ギブ・アンド・ティクだから嫌いだという人も多い。
サラリーマンは、案外ヨコの人脈づくりは苦手である。 しかし、学生時代の仲間、地域社会の仲間と、いわゆるサラリーマンになってからのヨコのネットワークは全く違うのである。
ヨコの大人の人間関係とは、一人前の社会人としての人間関係だから、あくまでギブ・アンド・ティクの部分がある。 情報をとるためには、自分が与える情報をもっていないといけない。
人脈を広げようと思ったら、自分の魅力がなければならない。 仕事も遊びも会社の仲間と一緒というホモ社会の論理は適用しない。
外部のネットワーク社会は、昔の学生仲間や会社の同僚、上司、部下のような気心のわかったなじみの人間関係だけではできていない。 外部の人脈というのは、ギブ・アンド・ティクという厳しい経済原理の貫徹しているところが必ずどこかにある。
ほんとうは会社の中にもそういうものがある。 だいいち落ち目の人には、だれも近づきたがらないではないか。

出世競争大いにやるべし私は、べつに出世派にこだわるわけではないが、サラリーマンは大いに出世競争はやるべきだと思っている。 出世のための手練手管のたぐいもべつに悪いものではない。
私はゴマスリも、要領のよさも、派閥も否定しない。

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